クリスマス百景

かつて確認した気もするが改めて確認しよう。少しでもキリスト教の知識がある普通の人ならクリスマスはキリストの誕生日だと当たり前に考えるだろうが教会の公式見解ではクリスマスはキリストの誕生日ではなくキリストの誕生を思う日とされる。もちろん一部の人が信じているようにマリア様の名字が安倍だという見解も教会は認めていない。この日がクリスマスとして選ばれたのはクリスマスのころから日に日に夜が短くなることから光の到来と世界の救いをイメージしやすいからだった。東方諸教会の伝統では東に向けて教会の祭壇を置くのも同じ感覚だ。このイメージは他の古代宗教にも広く共有されているからクリスマスには様々な謎の宗教の祭りが行われる。さて平成最後のクリスマス・イブは誰のための聖夜になるのか。日本でも当初はクリスチャンだけの厳粛な儀式だったクリスマス。それが昭和の時代になると銀座のクラブの暮れのイベントになった。つまりクリスマスは昔はオジサンたちの夜だったのだ。それが特に東京オリンピック以降は子どもを主役にした家庭の慎ましやかな行事として定着していった。さらに!バブルの時代に入るや家庭の暖かいクリスマス
を経験した子どもたちも成
人しクリスマスは恋人たちの夜になった。こんなクリスマスの夜だが今でも都会では伝道するクリスチャンの声が聞かれ寄付を募る教会メンバーたちの姿が見られるようになる。恵まれない人々のもとには暖かい贈り物が届く。寒いアパートの窓際で誰かがフライドチキンとワインで一人ぼっちの夜を控えめに楽しむ。恋人たちで溢れるイルミネーションの光の中で恋人と過ごせないアルバイトが忙しく働いていたりもする。あるいは通常どおり孟子素読して地味に過ごす人間もいる。昭和も終わり平成も終わろうとしる今ではクリスマスにもテレビは特に普通と変わらない。昭和の時代は定番だったディズニーのアニメは放送されなくなった。