マンマミーヤ!通信パニックは時間遡行

木曜日の午後に起こった通信パニック。時間が経つにつれて街で何が起きていたかが具体的に解ってきた。そのとき街はSF作品さながらの時間逆行を体験し平成生まれのIT世代の皆さんは一時的ながら昭和原人の生活の只中に投げ落とされてしまった[例えばは命に関わる職場ではシャレにならない状況に追い込まれていただろうが一方では逆に人によっては物凄くテンション上げ上げの祝祭的時間になったかも知れないが…]。そして昭和を知らない人々も昭和を忘れた人々も同じくコミュニケーションや記憶や推察能力や何よりも手仕事のチカラが昭和というシステムを元気に動かしていたことを腰が抜けるほどリアルに確認したことだろう。また多くの企業や施設の日常的なサービスが通信サービスなしには成り立たないことを露になった。しかし今回のパニックを通じてITの床板の下には有効なショック吸収材がなく用意されていたのは原始的すぎる対処法のみということが明らかにされた。IT技術に依存しすぎた現代社会の脆弱性はテクノロジーそれ自体の脆弱性というよりテクノロジーの単一性という脆弱性と関係しているようだ。
電気の利便性に依存していた昭和時代には非常時を乗り切るツールは山ほどあったが現代は当時とは完璧に違うのだ。
IT万能論者はマルチメディアの時代だぁとかデカいことを言っているが実はメディアはマルチぢゃないんぢゃないか。問い合わせは全てHPで基本的知識は迷わずウィキで資料はネット検索のみからゲットしてマネーはデータだぁという社会のメディアはホントにホントにマルチなのか。あたかも本やハガキや公用電話なんか邪魔やんかと豪語している社会。今なお前時代のシステムを頼りに暮らしている人々を置いてきぼりにしながら増大してゆく利便性の床下を想像してみてほしい。想像したら震えが来ますぞ!