マンダラ、イコン、フォルメン

anesti2013-03-13

ユングの著作にハマっていた20代前半から、自分でもマンダラを描きたくなりました。すぐに何かに影響されるアホな年頃の話です。描いてみると心のなかには色々な意匠やイメージやシンボルが保存されていることを実感しました。手先の不器用さが悔しいのですが、描くと実際にドエリャー気持ちが良いので今までずっと描き続けています。はじめは浮かんだ一群のイメージを一つの画面の上に合成する方向で描いていましたが、傾向が次第に変化していって、ある時期からは普通の場面や風景なんかしか描きたくなくなりました。そしてここ数年は心理学的な要素は弱まり、身体感覚の動きを反映したものばかりが増えてきました。ただし不思議と絵のほうは一向に上手くなりません。見返して見ると今も昔も絵が雑です。
最近になって描きたくなっているものにはユングのいうマンダラというよりルドルフ・シュタイナーがフォルメンと呼んでいる図像に近づく傾向がみえるみたいな気がします。フォルメンは動植物の成長や運動の過程で体のなかに起こる潜在的な動きを図像として表現したり、人間の感情の動きなんかを図像化したもので、具体的には放射状の線や同心円、幾何学的模様の連続などとして表現されるようです。シュタイナーの芸術の世界では、このフォルメンを一歩進めて立体性と動きのあるダンスによる身体表現に発展させてゆくそうです。その方法がオイリュトミーと呼ばれるものらしいのです…。ただし小生としてはダンスの世界には足を突っ込む予定はありません。とはいってもオイリュトミーの教えるように音楽に合わせて体を動かしてみると、歌手とか演奏家の呼吸のようなものと同調というか共振というかそういう特異な感覚を経験します。あれは何でしょう。人間の原始的なコミュニケーションなのでしょうか。