那覇 お化けは友だち

この上は南の島でホトトギス!一見すると単なるトロピカル・アイランドに見える沖縄ですが、その生活空間のなかに心霊的な存在が自然に溶け込んでいるスピリチュアル・アイランドでもあります。ユタなどの霊的能力者には会えませんでしたが、せっかく沖縄に来たので、そちらの方面についても少し探索してみました。まず妖怪キジムナアについて、官公庁に勤める普通の姐さんに訊ねてみると、キジムナアについては聞いたことがある。沖縄の人なら誰でも知っていると思うが、キジムナアは樹の上に住んでいる妖怪なのだとのこと。その姿は人間の子供に似ていて、時々人間にイタズラをしてくると言われているのだそうな。姐さんの話す様子からはキジムナアの存在自体を信じている景色は見えませんが、キジムナアは妖怪というより樹の妖精みたいなものと解ってきました。そしてキジムナアに限らず沖縄の人の妖怪やお化けに対する特異なスタンスも伝わってきました。国際通り近くの平和通り商店街奥で話してみた中学生三人組の話からも、沖縄での人間とお化けの明るい関係が検証できます。例えば、心霊スポットについての質問には、「ここ(平和通り)にも出るよ」と普通な感じで答えるのでした。このアーケード街には夜になると兵隊の幽霊が出るそうなのですが、何をするかというと、ただ通行人にブツカってくるだけで、他には特になにもしてこないというのです。なんかチカラが抜けて来そうなお化けです。その他の心霊スポットについて訊いてみると、「首里の方にはケッコーいるよねぇ」という答え。なんだか解らないけど動物の話か何かをしているみたいな感じです。また学校ではクラスに一人くらいは霊が見える人がいるという話、しかもそうゆう人は霊が見えるだけで他に何もできないから、大したことはない(つまり普通の人だ)と言っていました。これも明るくユル〜く話すので逆に驚きでした。ついでにキジムナアについても話してもらうと基本的には初めの姐さんの話と大体において同じでした。ただ中学生たちはキジムナアがいそうな場所は希望ヶ丘公園だろうと言っていました。理由は単純、樹がたくさんあるからです。しかし、その後に一人が何気なく付け加えた言葉が怖かったんです。希望ヶ丘には希望はない!あそこはホームレスだらけだよ!(それにつけても東京は人もお化けも病んでる感じがします)。