那覇・じゅり馬姐さん

沖縄で小生を筋金入りの嫌韓にしてしまった韓国人旅行者、ひとまず喜んで帰っていってもらえたのは嬉しいことでした。我ら日本側の事務所メンバーだけになった途端、不思議なメカニズムが動きだしました。韓国のお客を送り出して地下鉄・見栄橋駅を降りると、すぐそこにジュンク堂書店があったので、そこで沖縄関連本その他、見たい本を立ち読みしていると、間もなく地下で沖縄民俗芸能のパフォーマンスがあるとの情報。こりゃ「立ち読み」を中断して見に行かにゃあ損々。地階にいくとその一角に並ぶパイプ椅子の半分以上にお客が座って待っていました。このパフォーマンスは、民俗芸能「辻のジュリ馬」の歴史に関する一般書の出版記念の公演ということでした。ジュリ馬が伝承されていた辻という地域は今から300年以上も昔からの花街で、実は現在もそうゆうエリアとして夜な夜な妖しい雰囲気を漂わせているようです。ジュリ馬という芸能は、2月の「はつか正月」に辻で行われていた行事のひとつで、ここに暮らす姐さんたちによる一種の群舞です。元々は「はつか正月」のとき年に一度だけ姐さんたちが遊里の囲いの外を馬に乗って行列して歩いたことに由来
するとか言われます。この貴重な機会にだけ姐さんたちは外の世界にいる家族や大切な人と馬上から安否を確認するのだそうな。さて、時間です。会場に拍手を促す太鼓がこんこんこんこんと連打されると、まず例の本の著者の姐さんが沖縄特有な感じのハデハデな着物姿で仮説ステージに現れます。そこで簡単な自己紹介と辻のジュリ馬について解説をしてくださいます。この姐さんは、あのニチゲー卒業の博士で民俗芸能の春駒の研究者であり同時にジュリ馬の実際の演者の方でもあるとのことでした。さていよいよ解説も終わりジュリ馬の実演となります。これまた沖縄テイスト満点のハデハデ着物の姐さんたちがワンサカ出てきて、鈴を振り振りクルクル歩いて踊ります。当然ながらバックは沖縄ハデハデ音楽!ステージ上の踊り手の招きに応じて次第に踊りだす観客の人たち。さすが沖縄です。続いて「ヤマト」の民俗芸能の春駒!これがまたハデハデな羽織袴でヒョットコ面で手にはキンキラ扇子に鈴という出で立ちの姐さんが躍り出て、限りなく目出度い感じの口上の連発で会場を盛り上げます。しかも!切れのある踊りを踊るその腹部中央からは立派な馬の首がニョキリ!も
う全空間に目出度い空気が充満です。その次は中村流宗家のサンシンに合わせて「メデタイ節」など沖縄のメデタイ民謡の三連発。もちろん観客の皆さんは最後まで踊りに踊っていました。いやあ、こりゃ沖縄に来たという感じです。本土にはこうゆう乗りはない感じです。いや、乗りというより乗せという感じ、この呼吸はゼッタイに使えそうです。そうゆうことで、結構な一時でした。ジュリ馬姐さん、ありがとう!そして著書の出版おめでとう!