都内某所、無意味なるヒロイズム

耳栓を付けて鳴かせるホトトギス!…客観的に見て期待される効果が全く得られそうもない技術や手法が飽きずに長年に亘って適用され続けている景色というのは、腹が立つほど馬鹿馬鹿しいもんです。そんなシロモノは無意味なばかりか、むしろ労力の無駄でありケースによっては逆効果にもなるのですから有害とさえ言えます。昨夜のこと、都内某所で見かけた異常なまでに馬鹿馬鹿しい状況は、絵に描いたような無意味な技術の適用の例といえました。話しは歩行者と自動車とのトラブルです。車にぶつけられたの車を蹴られたのという、狭い裏道で起きる定番のゴタゴタです。近くにいた小生の受けた印象では確かに歩行者が車に対して故意に何らかの外力を与えたのですが、運転者は運転者で狭い裏道に車を停めると降りてきて、「どうしてくれるんだよ!」みたいな発言を繰り返します。片や歩行者はオレが蹴った証拠があるのかみたいな態度です。運転者の目的としては害された感情を何とか解消したいという一心ですが、歩行者も歩行者で、相手の喧嘩腰の言葉に憤慨したのか責任を逃れようとしたのか、異様にタカビーな態度を貫きます。近くにいた歩行者の仲間たちはヒタスラ謝るばかりですが、事態は責任を取れ→証拠を見せろ→すみません…というヤリトリがグルグル回る無限ループに陥っています。さて小生、ばあいによっては名古屋が間蓄積した400年の知恵を発揮するチャンスを狙いつつ登場のタイミングを見ていたのですか、そのうちに歩行者の仲間の一人が車を蹴ったとされた歩行者をやんわり京都弁で諭しに入ると事態は何とか収束の方向に動きだしました。しかし、そこから急転直下、さらに全く意味をなさない、必要性のカケラもないオチがつく展開が持ち上がるのでした。せっかく怒りを納めてくれた運転者が明るい笑いとともに現場を去ろうとしたとき、誰かの密告で現場に駆けつけたケーサツが、事態を収束に導いた当事者を相手に妙な説教をはじめ、おまけにホントに馬鹿馬鹿しい一言を付け足しました:「あんたがた、さっき歩きながら歌を歌ってただろ、確かに聞こえたよ。そうゆうの迷惑になるんだよ!」。説教している相手が恐ろしいほどの人格者だったら無事に済んだとはいえ、こんな言辞をこんな状況下で投げ掛けたらどんなマヌケな展開になるか賢明なる諸兄なら簡単に想像できましょう。あーあ、どんなばあいでもヒロイズムというヤツは起こらなくてよい問題を引き起こし、収束可能な問題を収拾が付かないほどゴチャゴチャにし、すでに解決しつつある問題を見事に再燃させてしまうんです。もう、どいつもこいつも!