真夜中のセカンドラブ

一昨日の夜は妙な憂鬱感に苦しみました。そんな夜には愛用の六弦琴で心を慰めるのです。憂鬱な夜の六弦琴は普段より不気味に響きます。その晩は六弦琴で我ら青春の偶像と仰ぐ中森明菜様の「セカンドラブ」に畏れ多くも挑戦しました。少しラテン味の入った感じに仕上がりました。さて、こうして憂鬱地獄に落ちたのも一本の電話が原因でした。その夜は恋愛の相談ということで30代の女人と電話で話たんです(冗談やないでぇ。助けてもらいたいのはエビのほうや!ホントに)。エビに恋愛相談というのが大体においてナンセンスでシュールでサイケな前衛ゲージツみたいなもんですが、わざわざ頼って頂けたのだからと、せめて文化記号論の立場で意見を述べようということにしました。さて、その恋愛物語の経緯を聞くんですが、まあ話の長いこと長いこと、聞く方にしてみりゃ全く役に立たない感じの詳細な情景描写や複雑に錯綜する憶測や正確きわまる会話の再現や続々と…こんなんでアタマがクラクラしました。もう相談どころじゃない!違う意味で助けてもらいたいのは当方です。それにしても30代になっても恋する女の気持ちというのは切ないもんのよ
うです。クラクラするアタマを抱えながらもマジメに話を聞いていたんですが、文化記号論の話は措いとくとしても、その女人は自分の言動に厳しく後悔して苦悶しているのでした。女30代に至っても気持ちは我らが青春の偶像なる中森明菜様の「セカンドラブ」の心境そのままなのでした。♪恋も二度目なら少しは上手に♪…という景色。あるいは梅沢富雄氏の夢芝居じゃありませんが「恋はいつでも初舞台」という心境でしょうか。しかし、だんだん話の核心に近づいてくると、どうやらこの人、相手が自分の都合の良いように動かないことに苦しんでいたのでした。ここまで来ると出てくるセリフも恐ろしくなります:「なんでワタシが合わせないとイケナイんですかぁ?」、「それは○○さんがやることよ…」。怖いよ怖いよー。もう自分の利害オンリー。もはや精神分析家状態ですが、この人には女子の赤裸々な世界を見せて頂いて感謝しました。実は可愛い乙女心の背後にはこうゆう恐るべき楽屋裏があり得ると知れただけでも大変に得しました。それでも申し上げたい!貴女の反省、後悔、痛恨、その方向は完全に違っています!貴女の話が長すぎるのも、ひたすら一人で話
すのも、結局は自分のことしか考えていないからなんです。これまでも何度も話をしてますが、話の中心には自分しか出てこないですよ!これじゃ万事がマズく行くのも不思議じゃございません。人様に得してもらう工夫にアタマを使ってみるのも楽しいもんですよ。ホントに助けてくださいよ。