密教シリーズ 怨念退散!

1 やはり今年一年を通じて最も激しく後悔していたのは開運を期して毎日の勤行(お勤め)を密立て=密教式に変えてしまったことか。どうやら密教式にシフト・チェンジしたことで神秘世界の妙なボタンに触ってしまったみたいだ。もおぉお悪いことが続くわ続くわ。I・O・T家電など一つもないエビ宮殿で年に何度も色んな家電の調子が一挙に狂い出すわ。会いたくない人間に出くわす頻度がダントツにアップするわ。何かをしようとすると絶妙なタイミングで予定がバッティングするわ。場合によっては怪事件とか珍体験とかに属するような出来事まで次々に呼び込む始末[一部後述!]。これぢゃ開運祈願というより呪いの練習だ。こんなんを身近な連中に話したら最後!事情通を自認する面々には素人が密教なんかに手を出した報いぢゃとか責められるに決まってるし逆にインテリ系の面々には運なんてものは元から存在しないだろとかケイベツされるに相違ない。はいはい確かに判りました。心に刻みます。密教なんかに安易に手を出し私がバカでした。密教なんかで運が悪くなるなんて非科学的なことは申しません。そうは言いながら密教のも
つ絶大な影響力も予感してしまう。ここで素直に足を洗うのが得策と思えたが小生の場合は普通の素人とは少しだけ事情が違う。密教のイロハのイくらいならホンモノのアジャリ様の手解きを受けている。もちろん密教は毒薬だというアジャリ様の言葉も忘れていない。そんなこんなでアジャリ様の教えを信じて前に進むことにした。やがて苦手な夏が来て魂が抜けたような状態が続く。そんな中で次第に変なことも起こらなくなっていく。ところが妙なイロケを出して身の程を越えた修法の真似事なんかをするや即座に運命の歯車が狂い出す。それでも秋がくるころには全ては平穏無事になった。ところで今になって思い出すことがある。実は密教式のオツトメを始めたころの話だが夜なんかにオツトメすると必ず棚やら机やらの上にあるものが自然に落ちたり壁に立てかけてあるモノが急に倒れたりするのだ。これは夏の終わりくらいにはキレイに治まってしまったが思うに一連の怪異は功徳の現れなどではなく単なる魔境の現れだったのだろう。魅惑的な魔境が退場した後には素晴らしき無事の世界が姿を現した。そのときに気づいた。この一年間も自分は間違いなく開運というテーマ
の中を着実に歩いていたのだ。