秋葉権現でボーボー行きました。

昨夜は昨年に引き続き小田原市の郊外にある秋葉山の火祭りに出かけました。秋葉山は明治時代の廃仏毀釈の嵐や神仏分離令による危機的状況の中にあって例外的に神仏一体お構い無しという措置を受けて現在に至っています。所属としては天台宗の聖護院のグループに属していますから寺なんですが鳥居ありという珍しいスタイルを保っています。この火祭りはザックリ言うと昼間に行う餅つきなどの儀式と宵の口に行うギンキラギンな感じの屋内護摩があり続いて火祭りという三部構成になっています。火祭りの冒頭には山伏問答の再現があり次に様々な武器によって魔を払う山伏独自の儀式があり次に暗闇の中で廻れる炎のダンスが披露されますが個人的には最大の見せ場だと感じます。炎の舞いに続いて最後に炭火の上を山伏や参拝者たちが歩く火渡りの儀式が暗闇の中で行われます。ちなみに儀式で唱えられる真言は天台式ですから真言宗でノウマクという所はナマクになりバザラダンはバザラナンになっていました。この知られざる火祭りの夜には小田原市内からばかりか関東各地からも善男善女が集まりますが時に秋葉山周辺の地元の人たちの雰囲気が物凄く気持ちいいんです
。すっかり暗くなった広場に大人も子供も集まってくるんですが誰もが元気でワイワイやっているんです。昨年と変わらず大人の人たちは温かく気楽に子供と話しているし子供同士も互いに助け合っている。夜は更け空気がギンギンに冷えて祭りもクライマックスに達すると子供たちは大きなチカラに感応したかのように歓声をあげながら広場を走り回りました。何やら昭和な日本にタイムスリップしたみたいな感覚でしたが同時に日本には今でも大丈夫な社会があるんだと思えました。常々日本の滅亡なんかをリアルに予感している身としては妙に安心したくなるのでした。火祭りも終わりに近づくと地元のオジサンが祭壇の飾り付けを外して参拝者に手渡します。みんなの優しげで夢中な表情が心に残ります。今回も護摩を焚いて頂き開運成就を祈願して参りました。今年も無事に終わりそうです。