たこ海へ帰る

7月の終わりが近づくと真鶴の祭りを思い出す。あの小さな海辺の町には何年も足を向けていない。たこ八郎が同じ真鶴町の岩海岸で死んだのも同じころだった。畏友M氏と当地へ聖地巡礼に出かけたのは10以上も前になったのか。残念ながら事情で現地には入れなかったが遥拝していると静かで熱い感動が心に広がっていったのを今も鮮明に覚えている。今日は帝都で再びM氏と飲むことになっている。今日は故意の無気力飲みになりそな予感がするが当時のことは無理矢理にでも議題に上げようと考えている。あの日たこ八郎が最後のサイン入り色紙を残したという民宿は今もあるだろうか。今なお一度は宿泊して例の色紙をみたい気持ちは変わらない。やはり涼しくなったら出掛けてみよう。たこ命。色紙に書かれた最後の肉筆だった。