奇跡のような日常

台風が近づいている。午後になると急に風が止まり空気が熱くなった。それから空気が冷えると夕方には物凄い風が吹きはじめた。飲みが昨日だったのはホントにラッキーだった。まさに集まった三人の都合がついたのが昨日だけだったことに加え昨日だけ東京が晴天だったことを考えると帝都での飲みは一つの奇跡だった。もし一人でも土曜日の方が好都合だとかいったら久しぶりに三人が一堂に会することも不可能だったかも知れないし無理して土曜日にしても結局は中止になっていただろう。ただ集まって飲んだだけの話なんだが昨日みたいのが奇跡なんだろう。当たり前すぎる出来事が当たり前に起きるのは実は普通は起こり得ない特殊な出来事に出会うのと大して変わりがないとさえ言えたりする。少なくとも当たり前のことが好都合に進んでくれているとき自分が奇跡を経験しているかどうかは自分にも他人にも最後まで判らない。今日は宮殿で静かに過ごしている。強風の中を歩いている全ての人の安全を祈っている。今もNHKの気象情報はヒステリックに台風の脅威を伝える。しかし今夜も平和な聖地には少し強い雨と風が夜通し続いた後に毎度のようなキラキラした普通
の晴れた朝が来るのだろう。いつも普通の朝は奇跡の朝だった。