お菓子の島

anesti2013-02-04

鳴かぬなら真似をしてでもホトトギス
 わざわざお断りすることもないくらい特別なことは何もありません。ゴーゴリの気持ちです。「頼みます!お願いです。何でもいいのです。ネタを下さい!」ゴーゴリが親友に書いたそんな手紙を小生も書きたい夜です。しかし、ほしいのは経験です。出来事です。こればかりは誰に手紙を書いても仕方がありません。まぁ今までだってネタもないのに書きまくっていたのです。日記を書くのは無理なようですが、ネタのストックは山のようにあるので好きなように書き散らすには困りません。
 と思っているうちに、昨日の電話で今日あたり山下事務所のマネージャーがマカオから帰還するのだと気がつきました。そこで何の必然性もなく、香港・マカオの話です。香港は既に数回になります。好きな場所は九龍半島です。その先端にある公園や夜のテンプルストリートの屋台街。大衆食堂のニセ日本料理。悪魔の巣窟・重慶マンション。全てが楽しい世界です。
 しかし香港は目的地ではありません。大体は中国大陸から脱出する途中に立ち寄る場所でしかなく、しかもこちらを回るのはマカオに行くためです。マカオといえばカジノですがあれはお金持ちの行く場所です。小生なんかは、カジノのある超高級ホテルと海に背を向けバス通りを登って行くのです。ザビエルの時代から建っていたカトリックの近くにあるお菓子屋さんでお菓子を買います。黄色い海や煉瓦造りの洋風建築や、それに南洋特有の街路樹なんかを眺めて、夕方になったらまたカトリックの近くのポルトガル料理屋で本場のポートワインを飲むのです。
 マカオと言えばカジノというイメージは実際にマカオにとっても損だと思います。実はマカオは日本の長崎に似たポルトガルお菓子のメッカでもあったのです。確かにマカオにはポルトガル文化と中国文化のほかに東西が融合した文化もあって、それがここのお菓子に反映されているのを感じます。
マカオのホテル・リズボアの足元から長い橋が海に向かって真っ直ぐ延びていてその先にはタイパ島という小さな島があります。そこはお菓子の島で、昔から巨大なお菓子市場があったのです。近々この市場が閉まるという噂は小生の心を締め付けます。次回までは残っていてくれぇ。
 マカオにはコンフェイトとかボオロとかいう言葉がのこっていました。コンフェイトは砂糖菓子の類いで、ボオロとはビスケットみたいなお菓子のことのようです。お気に入りのお菓子はココナッツ味のサブレと杏仁豆腐味のクッキーですか。これは小生にはとても似合わない感じです。結局、カジノもお菓子も似合いません。カトリックで祈りを捧げる小生という景色も何かシックリしません。マカオに小生の似合う場所はワインの出るあそこくらいです。
夜になって噴水広場からホテル・リズボアに向かって歩いていたらホテルの周りに並ぶ質屋にスッテンテンになったお金持ちたちが貴金属を質入していました。
さてマネージャーの話によると中国大陸での物価高は強烈で、三年前には5元だったルービーが今や20元に跳ねあがっていたとのことです。もうワザワザ大陸に行って高くてズイマーなシーメを食わなくても、ホングコングでマイウーなシーメを食った方がお得な感じになってしまったみたいです。