…ドンジャラホイ!

anesti2013-06-05

ホトトギス森の木陰で何してる/昼前は休憩にするホトトギス/原点は鳴かず飛ばずホトトギス

 良いことがあった日も、ヒドイ目に遇った日も、この世は牢獄のようであり、ユートピアのようでもあります。
 ドンジャラホイ!時々小生の意識のど真ん中辺りが特定のフレーズやら概念やらイメージやらといったゲシュタルトに占領されてしまうことがあります。そうなると、特殊なケースとして全身の血が凍ったり煮えくり返るような出来事でもない限り、アタマの中は一日中そのテーマに支配されます。最近は突如として記憶の深淵から浮上してきたドンジャラホイ!です。おそらく先月中旬くらいからなんですが、このドンジャラホイ!という歌だけがアタマから退去してくれません。最近になって音楽への関心が急激に減退しつつあるというのに不可解です。どうしてアタマから離れなくなったのか、どんな状況下で思い出したのかも全く不明です。もしや華厳経みたいな不思議の世界に踏み込んでしまった副作用ではとも疑います。
 この歌、正式名称は「森の小人」というそうですが、題名やモチーフがもっている極限までに可愛らしい感じとは裏腹に独特の哀感を漂わせます。あるいは哀感とは別のニュアンスかも知れません。実際に歌ってみたり楽器で弾いてみたりすると、一種言外の鬼気と呼んでよいような凄絶で不気味な空気感か迫ってきます。それはこの歌の歌詞に「今夜はお祭り夢の国…」という表現が入っていることから、夜の世界を描いているためだと理解できますが、描かれるのが子供たちばかりか大人でさえ踏み込めない領域の出来事だと考えれば鬼気の謎は薄らぎそうです。そこに現出するのは暗い闇夜の深い森の中で行われる異界の儀式、見たら祟りでもありそうな禁断の光景に他なりません。そう、それはゲゲゲの鬼太郎の歌の3番のような、人間とは無縁の超越者(アウトサイダー)たちの自由の世界だったのです。きっと小生もこうゆう世界に思わず心を掴まれていたのだと感じます。
 一方、同じ夜の世界をテーマにした童謡でも、野坂昭如氏作詞といわれる「おもちゃのチャチャチャ」から伝わってくる哀感は、どちらかというと夜な夜な酒場で子供に帰る世のお父さん方の悲哀に近い雰囲気の哀感です。こちらの儀式は目撃しても特に祟りその他の心霊的トラブルの心配は無用と推察できます。
 悲哀と鬼気、どちらも魅力的な世界です。

 しかしこの歌、美川憲一さんが歌ったら相当に怖い!


♪森の木陰でドンジャラホイ/シャンシャン手拍子足拍子/太鼓叩いて笛吹いて/今夜はお祭り夢の国/小人さんがそろって賑やかに/ア ホーイホーイヨ ドンジャラホイ!