考えたって仕方ないだろ

暑くなる前に引退ホトトギス
ウグイスに気力で負けるホトトギス
噂より地味な暮らしのホトトギス


今年は9月1日が日曜日で、町の各地域では防災訓練が行われました。いくら9月1日があの関東大震災の発生日だからと言って、何もこの暑いのに防災訓練もないだろうと思います。「災害は暑い寒いを選ばず発生する」という定番の反論を想定しても、こう暑いと参加者の意欲も集中力も大幅に減退すること請け合いでしょう。そもそも防災訓練の主要な狙いは防災器具の点検、それに災害時の適切な行動の確認なんですから、剣道の寒稽古や我慢大会みたいな要素は訓練に必須なものとは思えません。ここらで東日本大震災の3月11日に訓練日を変更するのも悪くないのではと考えたりしますが、とにかく今日の防災訓練は特に問題点の改善もなく無事に終わりました。
それにしても防災訓練に出るたびに日本人に特有の縮み思考の実例に出会います。困ります。今日も参加者が炊き出しの食い物の感想を言ったり、作り方の反省なんかを語り合っていると近くに立っていた訳知り顔なオッサンが呟くように「災害のときゃ、美味い不味いなんて言ってられないんだ」「食えりゃいいんだよ」なんて言っていました。より良い仕事のために工夫や知恵を巡らすことが変な倫理観で無価値にされてしまいました。これじゃ工夫もイノベーションもございません。どうも一部の日本人は「考えたって仕方ない」という表現が大好きなようです。でも大体が使い方を知らない感じで極度に間抜けです。例えばこんな場面。20××年のある日、宇宙怪獣ギンギラドの攻撃を前に「考えたって仕方ない!」と誰かが言ったら何となくカッコ良さそうですが、このコトバがカッコいいのは、そう言った人が何か勇気ある行動を起こした場合だけで、何もしないで突っ立っていたり逃げる支度を始めるヤツが同じことを言ったらドエライ間抜けに見えます。どうも日本には間抜けな縮み思考を大人な態度だとか信じ込んでいる人物もワンサカいるようです。そんなこと
を考えると背筋がゾッとしてきます。いやいや、こんなこと考えたって仕方ないで感じです。