[立ち回り先]  扉が閉まる:東京都内・某所  

 久しぶりに電脳のある事務所に潜入しました。しかし今回は少し慌てております。これまで温情で自由に利用させて頂いていた電脳のアカウントが、何か上のご意向とかがあって今月末をもって御召し上げになるということで、関係各方面への連絡やらファイルの整理やら色々と片付けておきたい雑務を一挙にすませました。どうせ返上するのなら、今やっておけそうなことは全部やってやる!という気持ちでインターネットで探査したい項目を確認しました。確認しているうちに物す濃い勢いで時間が経過していきました。結局のところ何をしたいのか釈然としないままの状態で終わってしまいました。さてさてどうしたもんでしょう。それにしても今後は電脳のない状態になりますが、小生の頭脳にプログラミングされている超人的な情報処理能力は、巨大な情報源を失うことになるワケで、こりゃまるで現金がゼッタイに入ってこない巨大金庫みたいな、あるいは武道館が遺憾の日だけステージい上がることの許された歌手みたいなヘンな状態に陥ることになります。この状態の困ることは多くの専門的情報や現在の世間の動きから隔絶されてしまうことです。わが宮殿のテレビが死んだときでさえ、なにやら霊力がない仙人みたいな状態に入ってしまいました。幸いにも、そしてお陰様でテレビは今月お盆前に復活しましたが、電脳なしになるのには少々の覚悟が必要な気がしました。もう仕方がないので、しばらくは心の内面やら過去の世界やら歩いてゆける範囲内での出来事やら、特に現代文明と繫がるための道具なしに出来ることに両手・両足・アタマまで突っ込んで暮らすことに致します。そういえば例の古本屋さんの弊店特売で買い込んだ本も随分ありますから、むしろ過去と対面するには好都合な環境が出来たと言えます。さあて、世間に出回っている普通の本を普通じゃなくなったアタマで読んでまいりましょう。ではまた明日…。