アウトサイダー

anesti2013-09-08

泰平の世では冴えないホトトギス!世間ではオリンピック開催地の話題で持ちきりだったようですが、今日は朝から誰にも会わない特殊な環境に身を置いておりました。さあて今日は一日誰にも会わないのだから極限の自由を味わい尽くすか!と気合いをいれましたが、そんなときに限って妙なことが起きたりするのでした。マナーモードになっていた携帯が朝も早よからブァーブァーと鳴きます。朝といっても8時半くらいですが、何かあったかと慌てて出たら、なんか聞こえてきたのは若い女の声なんです。いきなり「もしもし、今どこなんですかぁ」とか恐ろしく焦った様子で話してきます。女と無縁な度合いは聖アトス山の柔道士とドッコイな小生ですが、それでも心当たりのヤツがいます。ああヤダ!ヤダ!!ヤダ!!!こりゃ「あいつ」かと思って適当に話を会わせて返事をしていると、「今日はホントに○○に行くんですか」みたいなことを言ってきます。今日は誰にも会いませんし、どこにも参りません!それで「あのお、ワタクシ蛯原と申しますが、もしや間違えて電話をおかけなのでは…」とか答えました。それから「さきほどは妙な対応で失礼しました」と詫びて電話
を切りました。変なことのあった変な朝でした。結局その後は半日くらい外部から覗けない無人の密室で、完全に外部世界とは隔絶された外れ者、つまりアウトサイダーになりきりました。部屋には折よくウォッカの大瓶もあったし、日曜のアウトサイダーは特に理由もないままヤケ酒という定番の状態に入りました。ヤケ酒を飲みながら言語学にとって時間とは何か?漢方医学の世界観は、人間や動植物や大地や大気が水や熱や栄養素をヤリトリしている世界としてモデル化できるのではないか?なんて思索していました。さて半日でもこんな状態になると、かつて読んだ「アウトサイダー」という本なんかを思い出します。著者は英国の異色ノンフィクション作家のコリン・ウィルソン。彼はホントに不思議な人で、普段はホテルとかでバイトして暮らしているのですが、その作品には日本の荒俣とか種村みたいな莫大な知識が盛られています。また物凄く楽観的な人でもあり、外れ者に並々ならぬ関心を寄せたのも、常識だけでは全く打破てきそうもない問題に解決策や未来を開く知恵を与えるのがアウトサイダーだと考えていたようです。実はかつての小生は彼のような在野で活躍す
る作家になってみたいとか考えていました。しかし、現実は情けない話で、実際に小生が超高速で近づいているのはコリン・ウィルソンではなく、彼を魅了した外れ者の方のようです。