流行語の王道

anesti2013-12-02

俗世に絶望してます!なとど言いながら、年の瀬が近づくとついつい今年の新語・流行語大賞なんかが気になり出します。小生が好きなのは「今でしょ!」です。その後に「やられたらやり返す、倍返しだあ」が出てくると、これもいいかな、などと気持ちがグラつくのでした。しかし「お・も・て・な・し」は頂けません。新語・流行語大賞では例年のように新語でも流行語でもない怪しいヤツがノミネートされますが、「お・も・て・な・し」も流行語というには怪しすぎる感じがあります。もちろん「お・も・て・な・し」という言葉が少し流行ったのは事実ですが実際に流行ったのはオモテナシのポーズの方で決して言葉の方ではないという気がします。さて小生お気に入りの「今でしょ!」と「倍返しだあ!」ですが、これらの言葉は「オモテナシ!」とは違って何か流行語の王道を歩む「王者の風格」を感じさせるのです。王者の風格、その本質とは何かと考えてみました。そして気付きました。これら流行語の王者たちは、その背景に、これを是非とも“使ってみたい”日常のリアルな場面というのが想定できるのです。つまりこれらは単に流行った言葉というだけでなく、生
活のなかで生きた意味を与えられた言葉だったと言えるのです。言わば一種の「あるあるワード」ということになります。だから世間が「もう古いよ!」と笑ってくれようが、「あるある」な状況に出会う限り来年になっても再来年になっても平気で使っていそうな予感がするんです。ところで王者の風格の秘密がもう一つありそうな気がしました。それはこの二つの流行語が「あるあるワード」であると同時に「NGワード」だという点です。いくら「倍返しだあ」とか「今でしょ!」とか言いたい場面に身を置いても出てきません。大抵のばあいヒドい目に逢ったら泣き寝入り、何かやろうとおもっても大体が先伸ばしに後回し、です。そのため実際に「倍返しだあ!」や「今でしょ!」は目の前にいる相手にマジで発射するということは少ないでしょう。そんなことをしたら確実に死にます!だから基本的には第三者について使ったり、仲の良い相手にシャレで言ってみたりという景色になります。使ってみたい!でも使ったら死ぬ!だからこそ一度は本気で言ってみたい。それが「倍返しだあ!」に「今でしょ!」なのだと思うんです。言いたいけど言えない!解ります、解ります。
小生だって同じです。でも黙っていては悔しい。誰かにヒドい仕打ちを受けたら極めて、極めて小さな声で言いましょう:「これでいいのだ!」と。そして、仕事を後回ししていることを誰かに非難されたら言うのです:「今やろうと思ったのにぃ」