オキナワ・那覇 猛毒ハブとの衝撃的な遭遇

所ジョージさんの極度に短い歌に“♪沖縄に行って驚いた、あーあーっナッハッ!”というのがありますが、沖縄に行ったらホントに驚きました。驚いた話のなかでもNo.1はハブとの奇妙な遭遇でした。那覇に到着した当日から、せっかく沖縄に来たってんで本物のハブが漬かったハブ酒を探そうということになりました。ところが探しにいくと、これが不思議に見つからないのです。そして探しているうちにハブ酒の真実が少しずつ明らかになっていきました。まず、ハブ入り酒は安くても一ビン数千円くらいすること、また一般のお土産屋さんで売っているハブ酒は伝統ハブ酒と製法が違って、単にハブのエキスが入っているだけだということ、そして伝統ハブ酒は生きている状態でハブを泡盛に漬けたものだということなどが判明しました。しかも本格的製法で作られたハブ酒に入っているのは生きているハブなので必ずトグロを巻いているそうです(タクシードライバー談)。泡盛のなかでトグロを巻く猛毒ハブを発見できないまま二日目の夕刻になりました。そのとき、我らの思いが天に通じたものか…、波之上ビーチ近くにある巨大な酒屋さんに泡盛買いたさで立ち寄ったときです。ダメ元で訊いてみたらワザと隠しているのかと思えるような目立たない場所に、ありました!ありました!並んでいました!色んなタイプのハブ酒が我らを待っていてくれたのです。見よ!琥珀色の液体のなかに確かにハブは静かに鎮座しています。その名は“ハブ酒うるま”!。やはり一本7000円以上。ハブ酒の箱の説明書きには「ハブ酒はハブの喉にある外分泌器官を取り、内臓を抜き仮死状態にして泡盛に漬ける」と書いてありました。ああ、そうゆうことなんですねぇ、と感心していましたが、そのとき事務所のメンバーが感激のあまり店のオバアに、発見までの苦労を語ると、オバアは我らに意外な、あまりにも意外な話を聞かせてくれました。なんと最近ではハブが取れなくなってきたので、伝統製法のハブ酒が作れなくなりつつある、というのです。沖縄はハブだらけ、島の人たちは恐ろしい猛毒ハブに頭を抱えている!と思っていたのに、事実はイメージを軽々と裏切って、恐るべき重みで我らに襲いかかって来るのでした。だとすると山地で野生化したマングースが気になります。なにしろあの人は確かにハブとも戦いますが、いくらマングースだって敢えて血みどろの激闘を繰り広げてまで猛毒ハブを倒すよりは捕まえやすい小動物を獲物として狙う方が楽チンに違いありません。しかし今やハブなき森では、ただ残されたマングースだけが森の愉快な仲間たちを追いかけながら走っているのでしょう。