悪魔の工場見学!街の噂の全工程を確認。

噂が作られてゆく恐ろしいプロセスを目の当たりに見てしまいました。今日は地域の防災訓練というのがありましたが、ウチの宮殿の周囲の地区はヒドく高齢化が進んでいるので参加をイヤがる人が多く、今回も小生と約一名のみの参加となりました。小生が地区の代表みたいになってしまいましたが、さてさて訓練の最中たまたま近くいたオバサンが「あら、誰もきてないのねえ」と話かけてきました。このごろは人間というものの良からぬ企みには特に警戒していますが、まあ事情くらい話してやってもいいだろうということで、「みなさん、具合が悪くて」と答えました。するとオバサンは大喜びの表情で「あーら、今日だけ具合が悪くなっちゃうんでしょ」。確かに正しい部分もある指摘です。ふむふむ。しかし、その後の動きに背筋が凍り、その強烈な冷気が見る間に全身の血液を凍結させていきました。そのオバサンは近くにいた別のオバサンを捕まえると、「あーら、このニイさん面白いよぉ、みんな今日だけ具合が悪くて出てこられないんだってさぁ」。そんなことは一言も言っておりません。そうです根も葉もない流言が如何に作られているのか、そのメカニズムは何とな
く推測できていましたが、推測どおりの全工程が目の前に露わにされるというと腹が立つより悲しいより恐ろしい、忌まわしい感じに支配されるばかりした。この場所には未来も希望もないと思い知りました。これは悪魔の工場見学だあ!ダンテの「神曲」の地獄門じゃないですが「ここに入る者は全ての希望を捨てよ!」というコトバが何処からか聞こえてきました。下流社会に落ちてきたら、もう論理も経験知もない!それどころか感覚や記憶さえ頼りにできない!下流社会とは想定したり期待したり邪推したりした出来事しか起こらない空間のようです。その「出来事」は、たとえ目の前に別の事実が置かれていても、「事実」との照合という当たり前の手続きなど全くなされることもなく夢のような既成の事実が作られていくのです。よほど前世と現世で悪いことをしてきた報いか、こんなところに落ちてきてしまったのを今さらながら後悔しきりです。こうなると死んでもイヤな念仏でも唱えて極楽にでも行きたくなります。