伝説も忘れられた伝説の町。

先日のことエビ宮殿近くの古いストアーが閉店となりました。その前日の昼過ぎに普通に買い物に行ったら店が異様に賑わっています。その異様に祝祭的な光景に呆然としていると明日で閉店だよと言われて目がテンになりました。そうゆう時にはホントに確かに脳内で言葉を組み立てる高度な機能が一瞬にして麻痺するのだと判りました。…この店は聖地の東の外れに孤島のように建っていましたが品数も意外に多く無名メーカー製ぎら食べて美味しいものも色々揃っていました。あの店の品物は古いとか店がボロいなんて言う人もいましたが経営者ご夫婦も親切で地域の住人に根強く愛さた店でした。ストアーのある辺りには40年くらい前まで大きな洋品店や魚屋もあり酒屋などに至っては三軒もあったとのことですが今や一軒また一軒と店を閉めてゆきストアーが最後の一軒となっていました。最近は周囲に郊外型商業施設やコンビニも出来はじめたこともありストアーの経営も脅かされていたようですが実は閉店の最大の理由は経営者の家族の事情でした。思えば近ごろ聖地では昔からの店が年に2、3軒のペースで閉店していますが多くの店がストアーと同じく経営よりも家族の
事情で周囲に惜しまれつつ店をたたむのだと聞きます。跡継ぎの問題、家族の病気、相続の関係などの事情が不景気以上に地域の店を次々と直撃しているようです。さてストアー閉店の日には全てが半額になっていました。閉店を惜しむ人たちで店は全盛期の賑わいを取り戻したような景色になっていました。エビは最後にサンマのみりん干しや小魚の佃煮など色々買って帰りました。その日の日暮れ時に妙にコカ・コーラが飲みたくなりました。もう閉まっているだろうと思っていたストアーは最後の片付けの最中でした。店の前の自販機でコーラを買って物陰で飲んでいると背後から半分開いていたシャッターの閉まる音がしました。普段なら何の意味もない日常の雑音なんですが妙に悲しげに響きました。普段どおり雑な感じで閉まる音だったのが余計に悲しげに聞こえたのです。数日たってストアーの前を通ると普通の休みの日と同じような景色がありました。きっと止まったままに見える風景の上でも時は流れてゆきます。この辺りにストアーがあったことも伝説の商店街があったことも何十年か後には誰も信じなくなるのでしょう。へい、毎度ぉ!