酒とカラダと空間

昨夜はムショーに飲みたくなった。故あって緊縮財政になっているところ酒を買うのも控えていたが万策尽きて仕方なく40度の秘蔵の洋酒を出してきた。いや飲んだ飲んだ。飲んで気分も爽快になれた。だが今朝になって目が覚めてみると所作がザツで無駄だらけになっていた。このザツさのせいで物心ついたときから多くの具体的な損害を蒙り精神の余裕も奪われてきた。それが修行と工夫の甲斐あって半年くらい前には制圧されはじめ今や初めて自分のカラダが自分のものになってきていた。しかし酒にゃ恨みはないけれど酒でホントに調子が狂ってしまった。一般に酒はカラダに悪いといわれるが間違いなく日常の所作にも悪い。これは普通の人には意識されにくい意外な酒のデメリットか。しかし久しぶりにザツや無駄に縛られていた状態に戻れて色々と考えたり気づいたりしたこともあった。ありがとう!動作がザツになると自分の思い通りにモノを操作できなくなる。だから操作したくもない周辺のモノにチカラが及んでモノが落ちたり崩れたり連動したり邪魔になったりする。それだけでなく記憶が整理できず行動が非効率になる。そんなん人間なら当たり前やんけと言われ
そうだけど実は工夫しだいで今より自在に動けるようになるかもこのザツな動作の原因は主に筋肉と身体感覚にあるようだ。動作がザツになっている間は筋肉の効果的な強調が崩れており皮膚および深部の感覚も意識に上ってこない。極端にいうとカラダが緩い運動麻痺と感覚麻痺に近い状態になっていると言えるか。このときチカラを抜いてカラダを緩慢に動かしながら重心を調整することで身体感覚を磨きなおすと空間とカラダの間合いやモノと動作の関係なんかが直感的に把握できるようになり筋肉も自然に強調を取り戻すようだ。思えば少し前まで酒は飲むわ感覚は磨かないわだったんだから人生どころか自分のカラダでさえ思い通りにならない状態だったのだね。今や武術とかワザとかを超えた合気そのものの世界に関心の中心が移ってきているが刻々と変化を続ける周辺の状況に対して常に変化をもって積極的に対応してゆくためには酒は邪魔になるかもしれない。酒は楽しいけど効率的な所作のためには確かに有害無益になるか。困ったものだ。今後は酒の快楽が勝つか呼吸の快楽が勝つかを気長に見詰めてゆこうか。