特番と劇場版は面白くない!

あぁあ昨日の特番は真ん中あたりから死ぬほどタイクツだった。予想どおりだ。拡大3時間スペシャルとか4時間スペシャルとか聞くや途端に嫌な予感がする。そして予感は当たる。だいたい拡大版は中身が薄い。しかも通常とは違う付け焼き刃な企画の混入で時間を引き延ばそうという安易な魂胆と工夫のない手口は初めから鏡を見るようにリアルに予測できる。テレビの拡大スペシャルが面白くない理由は情けないほど明らかで番組の作り手の無益な欲に駈られた深読みと作為のせいだ。作り手の心境に立てば打ち出した企画が予想を遥かに超えた爆発的な人気を呼んだとしたなら関係者が気をよくして余計に刺激的な内容をぶっ込みたくなるのは自然な成り行きだ。でも作り手の気持ちも見立ても結果的に空振りになる。例えば大人しく池の水を抜いときゃいいものを危険生物の特集を入れ込んだり素直に税務署のガサ入れをバンバン見せてくれれりゃあ楽しめたのに罰金の話やら詐欺師の立ち回り先やらで尺を伸ばしたり。もう知りたくもない情報で空気が薄まるだけだ。要するに色気を出して手を入れたばかりに素材を殺してしまっているのだ。どうすれば普段のクオリティをキー
プしながら数時間かの尺の中で視聴者を引き留められるのかの答えは極度に簡単だ。ただ普段と同じネタを同じ尺で普段より余計にバンバン見せることだ。普段と変えていいのは企画ではなくスタジオのトークだ。トークが効果的に利用できる理由はモンを喚起し関心の高まりを視聴者と共有できるからだ。しかし作為に満ちた安い色気は局や企画内容の違いを超えてテレビ界全体に充満しているから拡大スペシャルの放送日は普段から楽しみにしている定番の番組が一つ消えるだけだ。んな日は儒学の勉強が進む進む。