ハイパー個体の恐怖の適応力

昨夜の夜更けにホイホイにヤツが入っていた。ところが丑三つ時のこと別のが入ったか確かめてみたら先ほどのヤツの位置が違っているような気がした。どうも嫌な予感がしたが気のせいだろと思って眠りについた。ところが翌朝になって昨夜の異変は錯覚でも思い込みでもなかった。ヤツはホイホイを一晩かけて横断して反対側の出入口付近に到達していた。新たな不安と共に外出して帰還したら予感が的中しヤツの姿は完全にホイホイから消えていた。都会ではホイホイの粘着力を克服できるほどの脚力を獲得した進化型個体が現れているとの噂を聞いてたが自分と無縁と思っていた最先端の現実を紛れもない自分自身の目の前に突き付けられると様々なタイプの恐怖や不安が複雑に重なりあいながら心に浸潤してくる。もう結果そのものが気持ち悪いし十数時間かけてホイホイを横断するヤツの意欲やスタミナに背筋も凍りつくし信じたくない様々な現実が今も静かに宮殿に迫っているという状況も悪夢に等しい。さらに進化型生物どもが気持ちよく跳梁する未来も想像するだに恐ろしい。とにかくヤツは意地でも再逮捕だ。なにせヤツの優秀なDNAなんかが遺された日にゃあ来年か
らは夏がシャレにならなくなる。ところで話は変わるが紀州ドンファンは意外に金欠で特にモテてもいなかったらしい。その上に愛犬を失った直後に本人まで謎めいた最期では少し可哀想になる。