匂いだらけの世界

大脳の活動には活動の自粛を願った。それは高度な機能を担う部分にとっても働き方を考えなおす機会にもなるし当該部署には充実した休息のときを楽しんでもらえるんぢゃないかと思った。んなことで大脳にヒマを出したら世界は匂いだらけの空間になってしまった。匂いに囲まれて暮らしてみると主に視覚情報から構成されている現在の世界像とは全く別のイメージが現れた!そこには空間を隔てたり区切ったりする壁も曖昧で物の形も府明確になる。何より緩やかな方向感覚と距離感が空間全体に溢れている。明確な輪郭の世界と輪郭が曖昧な世界が重なる感覚なんてSFの火星年代記で描かれた多重世界みたいだが実際に中に入ってみると意外と普通だった。いつもぢゃないけど時々物から放射される熱が熱線として感知されるのも面白い。これからも匂い以外の微弱な情報が立ち上がってくるたびに新しい空間イメージが次々に重なってきそうだ。