白いカウンターで往生こく

こないだ役場に行ったら色んな証明書を出さなきゃいけないわ次々と書類が出てくるわで往生こいた。ところがホントに往生したのはカウンターが白かったことだ。今なお自治体の窓口なんかのカウンターが妙に白いで困る。ケータイ・ショップや場合によれば旅行会社でも印象作りの観点から白いカウンターが使われているが考えてほしいのは高級ホテルのカウンターが黒い理由だ。もちろん高級感の演出というデザイン上の狙いもあるのは当然だがデザインよりも遥かに重要な実用的な意味があるのを考えたい。そのココロは?一般に白い紙が用いられる書類が絶え間なく往き来するカウンター上が白いとなれば書類の確認や整理の効率が格段に落ちることになる。それでも白いカウンターの前でモタモタする客に苛立つスタッフは苛立ちのホントの理由に死ぬまで気づかないかも知れない。もしやの話だが黒いカウンターに高級感が漂うホントの理由は色彩心理学的な効果だけではなく逆に重要書類を扱う舞台としての黒いカウンターという既成事実から高級感という雰囲気が派生的に生まれたのではと個人的には考えてしまう。人間は意外に自分にとって不便な状態でも平気で放置し
ておく。場合によっては何人もの人に何度も指摘されながら何代も何代も不便なままだったりする。この放置された不便さが普通にビジネス・チャンスになるのだが気づかないばかりに多くの店や街が沈滞し衰退している。特に簡単な工夫と少しの手間で解消できる不便さが長年に亘って放置されるのは残念だし実際に損だ。街には放置されたままの不便さが溢れている。そして不便さ自体にも不便さの背後で眠っているビジネス・チャンスに誰も気づかない。