これで儒学の現代化に挑みたい

これまで漢籍は基本的に原文を素読していた当方ながら論語孟子は自力だけでは読めないと観念した。昨日は無理矢理に探して買った世界の名著の孔子孟子で改めて儒学の原点を訪ねたい気持ちを強めた。読んでみたら意外に正しく理解できているようだったんで安心。ただし本書では功利主義vs道徳主義の対立構造の中で単純な道徳主義者としての孟子像しか描かれてないのは残念。こんなんだから儒教が日本で不人気になるんだろうと腹も立つ。むしろ孟子の偉いのは道徳の体系内部に利の原理を見事に引き入れたとこなんぢゃなかろか。そうだとすると孟子は道徳を単なる価値論的な自己満足の範囲を超越した実学にレベルアップさせた点で二倍に偉いことになる。儒学を退屈にしたのは儒学者たちかもね。