フランス人にラテン音楽は可能か

手に入れたのはフランス語で歌うボサノバという珍品CD。しかも原曲は主にシャンソン!聞く前か嫌が上にも拡大する期待。勝手に無制限に動き出す推測。ころは初めて新幹線に乗った日の発車を待っ間に味わう後編。しかし現実というのは常に期待に答えてくれるとは限らない。ましてや実際に現れるのは期待を上回る現実ばかりぢゃない。さりとて期待を大きく裏切る酷すぎる現実も思ったよりは多くない。んで今回のは予想を軽く裏切る超レア・ケースだった。このCD一枚だけ結論を出すのも乱暴だけどフランス人にラテン・ミュージックのパフォーマンスを期待するのは愚かだと判断した。フランス風の歌い方というのは一般的に素直ぢゃないというか衒いが酷いというか。とにかく気取りが先立って歌が走り出す。もう走るまる。まるで自信たっぶりが裏目に出る下手なカラオケだ。いや単純にフランス人は歌が下手なんだ。特にボサノバのみならずリズムが命のラテン・ミュージックで歌が走るという時点で話にならないのに絶望的に許せないのはボーカルが恥も外聞もなく平然と走らせる自らの歌を棚に挙げさせといて当然の如くバックの方に追い付かせるという暴挙。こ
りゃ日本なら退場もの。それ以前にマトモな歌だとは見なされないだろう。もう生意気にラテンなんかに手を出すなと胸ぐら塚みたくなる。ちゃんと音楽におけるリズムやアクセントの効果を一から学びなおして顔も洗いなおしてから表に出てきてほしいもんだ。もちろんリズムを弁えて丁寧に歌えるフランス人歌手が大多数なことを当たり前ながら期待しているが間違いなくフランス語文化圏ぢゃカラオケで歌が走るなんてのは全く問題にならないらしいから歌に自信のない方はフランス語圏で腕試しなどを。きっと絶賛されること請け合いだ。