沈黙の夏

不可思議!夏になるとホトトギスのヤツらがウグイスと組んで大騒ぎする聖地の里山、6月あたりに二回くらい声をだしただけでお盆に突入した今の今までホトトギスが鳴かないのです。そればかりか7月アタマあたりまで出没していたライバルのウグイスのヤツも完全に戦意を喪失し、今や山にはセミのノイズのみが絶え間なく響くという奇怪な状況になってしまいました。鳥の声が全く聞こえないというだけでも不気味と言えるのに、あのセミ機械的音声を聞いていると沈黙以上に沈黙が強調されます。実はホトトギスとはワルいヤツでウグイスに雛を育てさせるのでウグイスなしに生きられないので、ホトトギスの消失はウグイスの消失とも深い関係にあると言えますが。何か森の生物多様性に異変があったとしか思えません。レイチェル・カーソンの「沈黙の夏」に描かれるのは農薬に汚染され、カエルの声も虫の声もなくなった無音の田園風景でした。沖縄北部には鳥という鳥がマングースに食われてしまった物音ひとつなくなった山地もあるそうな。こうゆう気味の悪〜い無音状態が如何なるものかは実際に経験してみないと ピンと来ないものです。ホントに不気味で
す。ただ、こうゆう無音空間の出現は特に一般人には意識されないものと思われます。無音の住宅街、考えてみたら異様に不気味ではありませんか。